私たち メモリアルスタイルのお店「想いの時」には、日々いろいろな想いをおもちのお客様がいらっしゃいます。
お店には訪問してくださるお客様 だけではなく、お電話をくださるお客様もいらっしゃいます。
先日粉骨のお申し込みをされたお客様は 3月にお電話で御相談くださった方でした。
3月。
お父様の命の灯火が消えそうなことを悟られ、お父様の希望である散骨について聞いておきたいと思って お電話をくださいました。
そのときは、電話で 散骨する時期に決まりはないこと。散骨をするにはお骨を細かくする必要があることなどをお話しして、手元供養品と海洋散骨の資料をお送りしました。
そして、先日。お父様の葬儀の打ち合わせの席上から 再びお電話をいただきました。
「父と約束した散骨は、私にお迎えが来たあとに父と私と一緒に散骨をしてほしいと、家族にお願いしてあります。それまでは、私の手元に父のお骨を置いておきます。でも、散骨する約束を形にしてあらわしてあげたいので 父のお骨を細かくして 散骨できる形にしていただけますか。できるだけはやくに。」
そして、御自宅用に ピンクのきれいなガラスのミニ骨壷と骨壷を置くステージもあわせてご注文いただきました。
「できるだけはやくに。」
その言葉に込めた想いを 形にするべく、翌日、わたしは 御注文いただいたミニ骨壷とステージ、それに白手袋とお骨用のバッグをもって 火葬場にむかいました。
火葬場の控え室には、荼毘に付されたお父様を待つ ご依頼主のお嬢様や御家族様がお待ちでした。
そこで、まずは御注文いただいた手元供養品をお見せしました。この骨壷にこれからお父様がお入りになること。この骨壷とこのステージが これからのお父様のお住まいになること をイメージしていただきます。
そして、具体的な粉骨の御希望を伺っていきます。
・・・一部をミニ骨壷に入れて 残りはいつでも散骨できるように 小分けにして水溶紙に包んでほしい・・・
お嬢様の御希望を伺いながら 申込書に記入をしていきます。
そして 収骨の時間。
わたしは 収骨室のすぐそばで そっと控えています。
御家族にとって 大切な時間 に集中していただけるように。でも必要だと思ったときにすぐに駆けつけられるように。
すべてが整った御家族様をロビーまで御案内したら、そこでお嬢様からお父様のお骨をお預かりしました。
まだ あたたかいお骨。そこに込められたお嬢様の想い。
お嬢様の願い を形にするべく、わたしはお骨になったお父様に御挨拶をして お車に御案内しました。