今年初めての散骨

1月20日(日)浦賀にて、2013年初めての散骨をさせていただきました。
実はこの日の散骨は、昨年12月に天候不良のため延期になっていた代替え日でした。

当日は、冬の気候とは思えないほど、快晴で雲一つなく青空が広がっていました。気温も大変暖かく、寒さ対策でお客様にご用意していたカイロも出番がありませんでした。

浦賀の海は、船着き場から透明で澄んでいました。
今回ご乗船のお客様は、海軍であったオランダ人のご主人の奥様とご友人。海上自衛隊にご勤務されていたお父様のお子様お二人の2組様でした。どちらの故人様も偶然海に関係するお仕事をなさっていました。

普段から私たちスタッフは乗船中にできるだけお気持ちに寄り添いたいと思い、お声かけさせていただいています。もちろんそっとしてほしそうな方には、お傍で見守らせていただいています。

ほとんどの方が故人様の想いで話を楽しそうにしてくださいます。
今回も、奥様がご主人と一緒に暮らしていたオランダの話や旅行の話をしてくださいました。また、もう一組のご兄妹様は子供の頃の思い出を話してくださいました。クルーザーの上は懐かしい話で盛り上がっていました。

今回、散骨ポイントに行くまでの航路は、船長と打ち合わせし、少し遠回りをして景色を楽しんでいただくことにしました。コースは観音崎をまわり、三浦半島の近くを選びました。

そして散骨ポイントに近づいたときの出来事です。船のスピードが少し落ちはじめたころ
お父様の散骨でご乗船されたお嬢様が私にこう言いました。
「父は、海上自衛隊を退職したあと東電で働いていました。この場所から変電所の鉄塔が見えるとは思いませんでした」と。私たちもそのような話は事前にうかがっていなかったので驚きました。
きっと、お父様が「ここがいい」と選んだのかもしれないと2人で話しました。

今回は合同散骨ということで、他に5柱代行でお骨をお預かりしていましたので、ご乗船いただいた方の前に少しお時間をいただき、たくさんの花と共に大切におひとかたずつ海に還させていただきました。

その後、ご乗船の方に一組ずつ散骨をおこなっていただいたのですが、そのときにも素敵な出来事が2つありました。

一つは、これまた偶然なのですが、自衛隊だったお父様が乗っていた船と今回ご乗船していただいた船の名前が同じだということがわかったのです。本当に驚きました。これも何かのご縁だと思わずにはいられませんでした。たくさんのHPの中から当社を選んでいただいて、偶然にもいろいろなことが重なって・・・。偶然かもしれませんが必然だったのかも?と思える出来事です。

そして、もう一つの出来事ですが、これも偶然でしょうか?
海軍だったご主人様のお骨を海に還した後、かもめが飛んできたのです。私たちにはそのかもめが奥様に逢いに来たようにも見えました。その時奥様が、「かもめは水兵のことを指すのよ」とおっしゃったのです。・・・とても不思議でそして幸せな気持ちになった瞬間でした。

今回の散骨が天候に恵まれたのも、いくつかの偶然が重なったのも素敵な思い出となりました。
散骨をネガティブにとらえるかたもいらっしゃいますが、私は故人の想いを最後に叶えてあげられる一つの大切なセレモニーだと思います。

「お父さんのお蔭で普段乗れないようなクルーザーに乗れた」「お父さんに最後に一番いい船に乗せられた」「主人が喜んでいます」「主人は幸せだったと思います」とたくさんの優しい心温まる言葉をお聞きすることができました。

大切なお時間を共にできて、私たちスタッフも本当に嬉しく思います。
ありがとうございました。

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