散骨ご施行から学ばせていただくこと

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先日、葉山港出航での散骨ご施行を担当させていただきました。

当日はすっきり晴れて、秋のうろこ雲が広がるなか、ご葬家様皆様にこやかに、ご乗船になりました。

今日、海にお還しされる故人様は御夫婦で 、晩年のお世話をされた姪御さんがお申し込みになりました。最初のお電話から明るいお人柄がしのばれ、看病でご苦労されたことも、こともなげに、お話をしてくださいました。

セレモニーのあと、キャビンで故人様のお話を伺いました。

お子様がいらっしゃらない御夫婦は、海外でお部屋を借りて、半年暮らしたことがありましたと教えていただきました。

周囲の方は定年後に行ったらいいのに、と仰ったそうです。

「歳を重ねてからではなく、いまの自分たちの感性で体験したいから」と二人で出掛け、帰国後はまたバリバリ働いたそうです。

ご一緒されていた、ご年配の親戚のかたも「自分たちはあとで行こうと思っていたら、体が言うこと利かなくて、出掛けておけばよかったと思います。もう昔の感性で物事を見ることが出来ないのです」と話してくださいました。

散骨のセレモニーのとき、青い海にさっと溶けたお二人のご遺骨は、自由に解き放たれ、もう時間を気にすることなく、世界をずっと一緒に旅されていくのかしらと、そんな想いが致しました。

私たちはご家族様にとって大事な方を、海にお還しするお手伝いをしています。有り難いことに、人生の先輩である皆様から、学ぶことが多くあります。大事な叔父様、叔母様の遺言だった散骨。約束守ったからねと海を見つめる横顔は、今日の秋の空のように、晴れやかでいらっしゃいました。

海洋散骨はお別れでもあり、故人様、ご家族様にとって、新しい旅立ちでもあるのだと想う1日でした。

 

 

 

 

 

 

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